お酒がボディメイク・ダイエットに及ぼす影響とは?

栄養

こんにちは!

パーソナルトレーナーの門井です。

今回のテーマは“お酒“と“ボディメイク““ダイエット“についてです。

食事についてのカウンセリングをしていると、

「お酒は結局太るの?」

「お酒はダイエットにどんな影響を及ぼすの?」

と言う質問をいただく機会が多いです。

このような疑問を持たれている方はぜひご一読ください!

お酒はエンプティカロリーだから太らない?

よく、「アルコールは”エンプティカロリー”だから太らない」というようなことを耳にしますが、実際にはどうなのでしょうか?

結論から言うと、お酒はボディメイク・ダイエットを阻害する要因になります。

そもそも「お酒はエンプティカロリー説」はなぜ生まれたのでしょう?

エンプティ=空っぽ

と言う意味で、おそらく「空っぽのカロリーだから太らない!」と言うようになっていったのでしょう。

また、アルコールの代謝経路に“酢酸“があり、これは短鎖脂肪酸に分類され、「他のエネルギーよりも速く消費されるから太らない」という考えもあったのかもしれません。

しかし、そもそもアルコールには1gあたり約7kcalのエネルギーがあります。

短鎖脂肪酸がいかに消費が早くても、エネルギーであることは変わりないし、食事やおつまみも加味するとエネルギー過剰になればもちろん太ります。

大前提これを踏まえた上で、更にお酒がボディメイク・ダイエットを阻害する原因を大きく3つに分けるのであれば、

  • アルコールの代謝物質
  • 他の栄養素の代謝遅延
  • 血糖値に関する問題

が挙げられます。

アルコールの代謝経路の問題

アルコールを摂取すると体内で代謝され、アセトアルデヒド、酢酸を経てアセチルCoAというように分解されていきます。

アセチルCoAは人間のエネルギーであるATPを産生します。

この経路が普段の食事(肉や魚、食用油など)に含まれる長鎖脂肪酸よりも速いと言うのが前項での話につながるのですが、

エネルギーとして使われなかったアセチルCoAは脂肪酸を経て中性脂肪に変換されてしまうのです。

他の栄養素の代謝遅延の問題

アセトアルデヒドは人体にとって有害なため、代謝が優先して行われます。

すると、他の栄養素の代謝が遅延します。

アルコールの分解能力には個人差があるので、あくまで目安ですが、

アルコール1単位=約4〜5時間

アルコール1単位の例

  • ビール500ml
  • チューハイ(7%)350ml
  • 日本酒180ml/1合
  • ウイスキー60ml
  • ワイン200ml
  • 焼酎(25度)100ml

アルコールを分解するのに大体このくらいかかります。

つまり、この時間は他の栄養素の代謝が遅れてしまうのです。

では、代謝が遅れてしまうとどうなってしまうのか?

「ただ遅れるだけじゃないの?」

と思う方もいるでしょう。

実際、私もそう思っていました。

まず、栄養素の代謝が遅れるということは、吸収もできません

飲み会に行った時に上記の1単位しか飲まないという方は少ないのではないでしょうか?

そうすると、10時間以上栄養素の吸収が止まることになります。

翌日、朝食や時間帯によれば昼食も食べるでしょう。

その時も身体はアルコールを必死に分解している状態です。

つまり他の栄養素の吸収はできておらず、上に積み上がっているような状態なのです。

この積み上がったものたちがアルコールの分解が終わったことをきっかけに雪崩のように一気に吸収されます。

すると、吸収したエネルギーは溢れて脂質は中性脂肪へと、そしてこれは次の項目にも関わりますが、糖質は血糖値を爆上げします。

血糖値が急激に上がりすぎると、糖を取り込むホルモンのインスリンが出過ぎてしまい、筋肉と肝臓に取り込みきれなかった糖は中性脂肪へと変換されて脂肪細胞へと…

考えただけで恐ろしい…!!

血糖値に関する問題

血糖値の問題ですが、アルコールを分解するためにもグリコーゲン(糖)が必要になります。

吸収も阻害されているので貯蔵されている分から使われていき、やがて枯渇していき、低血糖に陥ります。

すると、筋肉を分解することでグルコースを作り出す働きの”糖新生“が起こります。

※糖新生
…筋肉を分解して糖に変え、身体のエネルギーとする反応のこと

結果的に基礎代謝が下がってしまい、太りやすくなります。

また、下がった血糖値を上げるためにコルチゾールやアドレナリンが分泌され、交感神経が優位になる→夜に目が覚めたり睡眠の質が悪化します。

睡眠の質が悪化すると疲労のリカバリーもうまくいきません。

結果的にトレーニングのパフォーマンスやボディメイク・ダイエットに対する意欲自体が低下していきます。

それだけでは留まらず、仕事のパフォーマンスや活動意欲の低下も引き起こしかねないなど、日常生活にまで影響が波及します。

暴食等で食事が荒れれば腸内環境も悪化し、更に太りやすくなるなど、負のスパイラルへと沈んでいってしまいかねません。

まとめ

今回は‘お酒がボディメイク・ダイエットに及ぼす影響“について解説しました。

ただ、お酒を飲むのは楽しいのも事実です。

社会人であれば付き合いで飲む機会もあるでしょうし、そこでの出会いや経験があなたの今後にとってプラスになる可能性だってあります。

今回はマイナスな内容ばかりにはなってしましたが、嗜好品という枠組みで“心の健康には良い側面もある“と言えるでしょう。

薬も適量ならわたしたちを大いに助けてくれますが、過剰になれば副作用が現れます。

お酒もそうです。

つまり「付き合い方が大切」というわけですね。

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