現代人が陥りがちな呼吸の特徴と理想的な呼吸

機能改善

こんにちは!

パーソナルトレーナーの門井です。

今日の投稿は呼吸についてです。

生きている間、絶えず行っているこの“呼吸”という動作について考えたことはありますか?

私も勉強するまでは特に何も考えていませんでした。

なんとなく、「緊張すると呼吸の間隔が速くなるな」と感じる程度でした。

現場で呼吸についてお客様に聞いてみると、自分の呼吸が“浅い感じがする“と訴える方も多いです。

今回は現代人が陥りがちな呼吸の問題と理想的な呼吸について解説していこうと思います。

生きている限り常に行っている運動

呼吸は生きている限り“無意識に”常にし続けている運動になります。

これは不随意動作に分類され、他のイメージしやすいものでいうと心臓の拍動などです。

個人差がありますが、呼吸は1日約2万回程していると言われています。

自律神経系と深く関係しており、呼吸が浅くなると交感神経が活性されてしまいます。

酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する、それぞれの体内濃度を調節することが主な目的であり、酸素は体内でエネルギーを作るために必要のなります。

効率的に酸素と二酸化炭素を交換するためには横隔膜が正しく動くことが大切で、横隔膜が正しく働くためには肋骨が正しいポジションに位置していることが重要になります。

肋骨が関与しているということは、姿勢やボディメイクにも大きく関係していると言えるでしょう。

また、呼吸がうまく行えていない方は“呼吸の補助筋”が過剰に働いてしまい、慢性的な肩こりに繋がったり、

交感神経が活性してしまうことで力がうまく抜けず疲れやすくなる、睡眠の質が低下する、などの不調が現れてくることも…

1回1回は小さな動きでも、何万回と続ければ大きな不調に繋がってきます。

逆に正しい呼吸を行うことができれば、毎秒のように体にとって良い効果を享受できるでしょう。

現代人は呼吸を“吐けていない”

冒頭にも少し触れた“呼吸が浅い”という状態ですが、一見「呼吸が浅い」と聞くと息が“吸えていない”と思いがちですよね…

でも実はそれは逆なんです。

問題は、息が“吐けていない”ことにあります

もっというと、“息が吐けていないから吸えていないように感じる”のです。

例えば肺の容量が100だとすると、50しか吐けていない人は残りの容量は50しかないので50しか吸えません。

しかし、自身の体の感覚としては100の量を吸いたいため、残り50の分息が吸えていないように感じるのです。

ここで問題になってくるのは吸えていないことではなく吐けていないことですよね。

このケースだと通常の倍の呼吸量になっています。

呼吸量が増えることで交感神経が過剰に活性し、

  • 慢性痛(肩こり・五十肩)
  • 不良姿勢(猫背、リブフレア)
  • 慢性疲労
  • 睡眠の質の低下

など、さまざまな不調につながっていることがかなり多くあります。

リブフレアは肋骨が開いてしまっているパターンで、フレアスカートのように見えることからそのように呼ばれています。

肺の容量が50しか残っていないのに、無理やり100吸おうとすることで肋骨が吸気の開き切ったポジションに固定されてしまうのです。

こうなるとくびれもできにくいし、ダイエットしてもシルエットが思ったように変化しないなどの悩みにつながります。

もう一つの問題・口呼吸

もう一つの現代人の呼吸の問題として挙げられるのは“口呼吸”です。

現在はコロナが明け、マスクをする人も少なくなってきましたが、

コロナ禍で常にマスクをつけていた弊害として現れ、現在もそのまま治っていない方も多い印象です。

また、先ほど触れた猫背が原因になることもあります。

猫背は口が開きやすくなったり、舌を正しいポジションに支え続けることができないこと、胸腔が圧迫されることで呼吸がしにくくなり、より多くの酸素を取り込もうとする(マスクもこれが原因)ことで口呼吸が誘発されやすくなります。

口呼吸のデメリットとしては、

  • 歯並びの悪化
  • 顔の変形(アデノイド顔貌)
  • 口臭の悪化
  • 虫歯・歯周病になりやすくなる
  • 風邪をひきやすくなる

などが挙げられます。

口呼吸をすることで細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなり、アデノイド(咽頭扁桃)の肥大が起こる、下顎の筋力が衰えて、口ゴボや顔が長くなる、二重顎ができやすくなるなどの顔の変形が起こってきます。

ちなみに私が1番嫌だなと感じたのは口臭の悪化です。

個人的に言われて1番傷つく言葉ランキング堂々の一位が「臭い」だからです…

同じ方も多いのではないでしょうか?

理想的な呼吸とは?

理想的な呼吸というとどの側面から見るかで表現が変わります。

構造的にいうと“吸気時は胸郭(肋骨)が全方向に拡張し、吐いた時はしっかりと狭まることができる”ことと言えます。

特に多いのが前方のみしか拡張しないパターンです。

側方や後方の肋骨もしっかりと動くと、呼吸補助筋の代償が出ずに済みます。

次に生理学的観点で言うと、“呼吸量が適正である“ことと言えます。

近年、多くの人が呼吸の量が多くなってきていると言われていますが、原因としては

  • 呼吸の浅さ
  • 様々なストレス
  • デジタル的な刺激
  • 偏った食事
  • 姿勢の悪化

などが挙げられます。

呼吸はすればするほど酸素供給が増えるように思いがちですが、実際のところはむしろ減っていってしまいます。

酸素は血中のヘモグロビンが結合して各組織に運んでいますが、酸素の量が多すぎると離さなくなってしまうのです。

そこで必要なのが二酸化炭素で、この二つのガスの比率が適正であることが効率的なガス交換に繋が離ます。

また、酸素は感覚的栄養とも言われ、脳が正しく働くために、体を動かすエネルギーをミトコンドリアで生み出すために必要不可欠なものです。

脳が酸欠になったら集中力が低下し、仕事でもスポーツでもいいパフォーマンスはできないでしょう。

脳が正しく働いていないと感覚系(視覚,前庭覚,筋感覚など)が正しく働かず、慢性的な緊張状態に陥ります。

呼吸が浅いことによる交感神経の過緊張もこれと重なり、肩こり•腰痛•膝痛などの慢性的な疼痛に繋がったり、慢性的な疲れ、睡眠の質の低下、怒りっぽくなるなどの影響も考えられます。

治し方としては、呼吸は無意識動作なので「こうやるんだ」と意識するのではなく正しいやり方が誘発されるように誘導していくのが大切です。

常に呼吸を意識し続けることはできませんからね。

簡単なチェック方法

簡単なチェック方法としては、次の方法があります

  1. 自然に息を吸う
  2. 自然に息を吐く
  3. 自然に息が吸いたくなるまでの秒数をカウントする

通常の場合、“20秒程度”と言われていますが、皆さんはいかがだったでしょうか?

大体1分間に3回程度呼吸するのが普通の状態です。

ちなみに僕が初めてやった時は7秒でした…

まとめ

今回は現代人が陥りがちな呼吸の問題とそのデメリット、理想的な呼吸について解説しました。

「パーソナルトレーニングで呼吸?」と思われるかもしれませんが、今回解説した内容がネックになり、どこかにエラーが起こってうまくトレーニングできない担っていることも少なくありません。

一見関係なさそうに見えても、周りまわって関係しているというのはよくあることですよね。

正しい呼吸をするためのアプローチを行うことで、今回解説した内容に一気にアプローチできるならやってみる価値はありそうですよね!

1−2ヶ月毎日継続できれば、それだけで今抱えている悩みが軽くなるはずです。

私のセッションでは、ここまで細かい部分までチェックしながらエクササイズを行なっています。

お客様の目標達成のために、一見遠回りに思えても最善の提案をすることを心がけています。

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