こんにちは
パーソナルトレーナーの門井です!
コロナ禍を経て,在宅での勤務が増えたりとデスクワークをする機会が多くなりました。
そんな中で皆さんの悩みとして最近多く上がってくるのが“肩こり・首こり“です。
今回はデスクワークの方をはじめ、多くの肩こり・首こりの人が陥りがちな姿勢である“頭部前方変異姿勢“についてお話しできればと思います。
頭部前方変異姿勢とは?
その名の通り頭が身体の中心軸よりも前になってしまっている姿勢です。
正しい姿勢は体を横から見た時に
・耳腔(乳様突起)
・肩(肩峰)
・太ももの付け根の突出した骨(正式名称:大転子)
・膝(膝蓋骨の後ろ)
・くるぶし
これらを結んだラインが一直線になる姿勢が正しい姿勢なのですが、この中で“耳腔“のみが前に出ている姿勢になります。
また、“巻き肩“や“猫背“と併発しやすいことが特徴でもあります。
この姿勢だとなぜ肩こり、首こりになるのか?
頭の重さは成人で大体5〜6kgと言われています。
大体ボウリングのボールと同じくらいです。
では、「今からボーリングのボールを前習えの姿勢で持ち続けてください」と言われたらどうでしょうか?
実際にやったらすぐに腕がパンパンになりそうですよね。
この姿勢の方は普段からその辛い状況が腕の代わりに首で起きているということになります。
その付近の筋肉は首から肩や肩甲骨辺りに繋がっているのです。
結果筋肉の疲労によって拘縮してしまい、血流を制限してしまうのが肩こり・首こりというわけです。
そうなってしまう原因は?
“身体は繋がっている“ので挙げ出したらキリがないのですが、
・首の後ろの筋肉が硬い
・首の前の筋肉が弱くなっている
この二つが現在体に起きている変化になります。
これによって姿勢が乱れ、身体の他の部位にも影響を及ぼしていることが多いです。
ではそもそもなぜこのような状態になってしまったのでしょうか?
考えられるケースで例を挙げると,
“身体がその形に適応してしまった“ケースがあります。
デスクワークをしていると,知らず知らずのうちに頭が前に出て,タイピングをするために肩がうちに捻れていき,巻き肩・猫背に近い姿勢になっていきます。
これは仕事をする上で集中すると自然に起きることです。
ハンド・アイ・コーディネーションと言って,この姿勢をとると視覚情報と手の動きの連動性が上がるためです。
針の穴に糸を通すときを想像してみてください。
実際やってみても良いですね。
この時,自然にこの姿勢になりませんか?
逆に背筋を伸ばしたいわゆる良い姿勢で行ってみるとやりにくさを感じる方もいるでしょう。
何が言いたいのかというと仕事中にこの姿勢になること自体は構わないということです。
もちろん必要以上に背中が丸まらないようにデスクや椅子の高さを調節したり,画面に目が近くなりすぎないように位置を設定したりすることは必要ですけどね。
問題なのは,この姿勢の刺激のみしか身体・脳に入力されてないことにあります。
重力なんかが良い例ですね。
宇宙空間に行った人間がしばらく立って帰ってきたら立つことも難しくなっていたなんて話は聞いたことがあるのではないでしょうか?
同じ刺激のみを受け続けると,人間はその環境に適応します。
その姿勢を最適にとるための筋肉のバランス,使い方を学習し,“癖“がついていきます。
それによってデスクワークやスマホをいじっている時の姿勢が普段の姿勢にまで反映してきてしまうのです。
また,他に考えられるケースとしては視覚機能や前庭機能の低下などもあります。
こちらも説明すると長くなってしまうので,別の記事で解説いたします。
改善方法
改善するためには,新しい多様な刺激を脳や体に入力していく必要があります。
単純に硬いところ→ほぐす、ストレッチ、弱いところ→トレーニングというのも“新しい刺激を入力する“という観点では間違ってはいませんが、これだけではイタチごっこ、いわゆる対処療法になってしまいます。
これに加えて、背骨や肩甲骨を動かす運動感覚の入力や、視覚・前庭覚・体性感覚(足底の感覚など)の感覚系への刺激入力などが根本的な解決には必要になるでしょう。
治るまでの期間は個人差がありますが,セッション後の即時的効果を無視するなら早い人は2週間で効果が見え始めます。
その姿勢になってからの期間も関係してくるため,問題が根深く期間も長い方の場合は3ヶ月〜半年かかる方もいます。
シンプルで地道ですが、どちらもバランス良く行い、それを続けていくことが1番の近道になるでしょう。
まとめ
今回はデスクワークの肩こり・首こりをテーマにいろいろお話させていただきました。
姿勢とはあなたの“これまでの生活の写し鏡“と言っても過言ではありません。
当然長年その刺激のみが入力され続けている状態の身体に変化をもたらすためには,相応の多様で新たな刺激の入力が必要になります。
個人的に「肩こりにはこのストレッチ!」「巻き肩にはこのエクササイズ!」と簡単に当てはめてしまうのは良くないと考えています。
いろんな角度からアプローチすることで,その主訴だけでなく,その方の他の問題や潜在的な問題を一緒に改善できれば,その方の身体をより健康な状態へと誘導できるのではないかと思っています!
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