こんにちは!
パーソナルトレーナーの門井です。
膝が痛いという悩みを抱えている方はかなり多く、女性は歳を重ねると膝に問題を抱えやすいと言われています。
最近だと若い方も膝が痛いと訴えてくるお客さまも多いです。
放っておいてしまうと、“変形性膝関節症“になってしまうかもしれません。
今回はそんな膝の痛みの原因について解説しようと思います。
膝痛の原因:膝蓋下脂肪体の柔軟性・可動性低下
膝のお皿(膝蓋骨)の下には脂肪の塊があり、衝撃吸収や関節の動きをスムーズにしたり、関節の内圧を調節したりする役割があります。
膝を曲げていくときは関節の内部に入っていき、膝を伸ばしていくと関節の外に出てくるという流動的な組織で、この動きで上記の役割を果たしています。
膝蓋下脂肪体の特徴としては、痛みを感じ取るセンサー(受容体)が多いことが挙げられます。
そのため、組織が硬くなって流動性が失われると、痛みを感じるようになりやすいのです。
固くなってしまう原因としては
- 使いすぎ
- 筋肉の萎縮
- 脚部の形態不全
などが挙げられます。
膝蓋下脂肪体が痛みの原因なのかを判別する方法としては、お皿の下のぷにぷにした部分を押して圧痛を確認する方法です。
膝を伸ばした状態で押すと痛みを発するが、膝を60°ほど曲げた状態で押すと痛みが消える場合、膝蓋下脂肪体が痛みの原因の一部として考えられるでしょう。
膝蓋下脂肪体は硬くなりすぎると手術で切除死なければならない場合もあります。
この場合、衝撃吸収してくれたり関節内圧を調節してくれる器官がなくなってしまうため、可動域は改善しても膝は痛いという状態にもなりかねません。
セルフケアとしては
- 膝を伸ばして座り、膝の下にバスタオルを丸めて入れる。(膝軽度屈曲位)
- お皿の下のぷにぷにした部分を膝蓋腱(脚気/トンカチで叩くと勝手に足が動く部分)の下を潜らせるように左右から交互に押す(マッサージ)
- 痛みが減ってきたら角度を変えて行う
このようなやり方です。
これを行った後にしゃがむと膝の動かすやすさが上がっているのを感じられると思います。
膝痛の原因:膝蓋骨の可動域不全
膝蓋骨(膝のお皿)の動きが悪いことも痛みの原因になります。
膝蓋骨は本来あらゆる方向に動かすことができ、膝を動かすときに一緒に動いたいるのですが、この動きがある方向に動きずらかったりすると、膝の動きにエラーが出て痛みを覚えることがあります。
膝蓋下脂肪体が硬いことも膝蓋骨の可動域を妨げるため、この二つは相関関係にあります。
セルフケアの方法としては、膝蓋骨を上下左右斜めの様々な方向へ動かし、硬い方向には特に動かして可動性を確保していくことが挙げられます。
膝蓋下脂肪体のアプローチと合わせて行うことでより効果を実感できるでしょう。
膝痛の原因:脛骨の外旋
このケースは大腿骨に対して脛が外側に捻れてしまっている状態です。
本来、膝は伸ばした時には骨がカチッとはまったように安定するような構造をしています。
それが外側にねじれてしまうということは、構造上の安定が崩れ、不安定になってしまうのです。
また、膝は曲がっていくときに内側に捻れ、伸ばしていくときは戻っていき真っ直ぐになるという機構(スクリューフォームムーブメント)があります。
これは曲がって内側にねじれていくことで前十字靭帯と後十字靭帯が絡まり、膝に安定をもたらしています。
外側に脛が捻れているということはこの機能が十分に果たすことができず、不安定になってしまうのです。
結果、「膝が痛い」という状態につながってしまう可能性があります。
セルフケアの方法としては
- 椅子に座り、外側にねじれている方の膝を内側に捻る
- そのまま地面を擦る用にレッグカール(膝を曲げていく)
両膝の間に何か挟んでおくとよりエクササイズが行いやすいのでおすすめです。
膝痛の原因:膝周囲組織や筋肉の緊張・拘縮
膝の周囲の組織や筋肉の緊張・拘縮があるケースももちろん痛みに繋がります。
可能性があるものとして、例えば膝蓋上囊や大腿骨脂肪体が固くなることで膝を屈曲する際の大腿直筋(前腿の筋肉)の挙動が変化して痛みに繋がったり、
大腿直筋や広筋群(合わせて大腿四頭筋)、ハムストリングス(もも裏の筋肉・特に内側)、膝窩筋(膝裏の筋肉)、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)、内外即半月板の移動不足、膝周囲靭帯の拘縮 etc…
パッと上げるだけでもこんなに要因があります。
これらに対して問題部位と原因を特定し、アプローチしていくことが改善につながるとともに最初の予防にもなるのです。
膝痛の原因:その他
その他、隣接関節の問題や上半身の問題、それに付随する重心運動の問題に代表される身体の使い方全般や癖などが挙げられます。
さらに突き詰めていくと
- 視覚・前庭覚・体性感覚に代表される感覚系の統合不全
- 脳の機能低下
- 呼吸機能低下によって脳が働くための酸素が不足している
- 神経伝達のホルモンや脳のエネルギー、身体を構成するための栄養不足
- 精神的な問題
など、問題は多岐に渡ります。
まとめ
今回は慢性的な膝の痛みに対して考えられる原因と一部セルフケアを紹介いたしました。
一つ上の項目でもお話しした通り、慢性痛の原因は突き詰めていくと多岐に渡ります。
これらの問題・原因に対して包括的にアプローチしていくことが改善への近道になりますし、ひいては再発の予防にもなっていきます。
「症状が治まったから終わり」ではなく、その後同じ問題を抱えない用にするために運動を習慣化できると尚いいですね!
コメント